「両面観世音図」
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「緙絲(こくし)」とは? |
“刻絲”“尅絲”とも書くこともあります。これは、文様がまる |
で刻みこまれたように見えることから、“彫刻された織物”とい |
う称賛に基づいて命名されたといわれています。 |
緙絲で作られた物は、高級な工芸品として扱われ、鑑賞、収蔵さ |
れ続けてきた、中国の絹織り工芸品の精髄のひとつです。 |
密に織り込む)」と呼ばれる織り方で、経糸と緯糸を織り込み模 |
様を表現していきます。織られた模様は、まるで無数の糸を使っ |
て作った宝石の様に美しく、浮き彫りのような立体効果を出して |
います。 |
案を織り出すことが出来ます。しかも「千年傷まない」と言われ |
ているように、品質が変化しにくく、長期間の収蔵に適していま |
す。 |
「緙絲(こくし)」の歴史 |
博物館所蔵の約3500年前の麻製のものか、もしくは南米ペルーか |
ら出土した木綿製のものであると言われています。その他にも、 |
南シベリアのアルタイからも動物などの文様のつづれ織りが発見 |
されており、西アジアなどにおいてかなり早い時期につづれ織り |
が発達していたことを物語っています。 |
物などによって分かっています。特に、中国では古くから養蚕が |
盛んであり、唐や隋の時代には、絹を使った精巧なつづれ織り、 |
すなわち「緙絲」が作られ、発達していきました。こうして誕生 |
した優れた緙絲の作品は、遣唐使、遣隋使などによっても日本へ |
持ちこまれています。 |
「緙絲(こくし)」の分類 |
緙絲”、“紫峰緙絲”、“明緙絲”の三 |
種類に大別されています。それらはそれ |
ぞれ特徴があり、“本緙絲”は生地が厚 |
くしっかりとしていて、通常は書画や屏 |
風などの工芸品を作成するために用いら |
れています。“紫峰緙絲”は、大変軽く |
薄いため、図柄が幻想的な雰囲気で浮か |
び上がってくる効果があることから、古 |
くから皇后、妃が宮廷で召される衣服や、 |
寝室用の屏風などに用いられていました。“明緙絲”は、 |
緙絲工芸の中において最も複雑なものであり、外観上は |
“本緙絲”のように優雅で美しいが、生地は柔らかくし |
なやかであるため、その用途は“本緙絲”とは異なり、 |
皇室用の龍袍の生地として使用されていました。 |
多くの作品を取り揃えております。どうぞ展示室をご覧下さい。 |
曹世織局
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